原発事故による「風評被害」の損害賠償-相当因果関係

 

 

典型的には,事件,事故,災害,根拠のない報道,噂話などによって、本来は直接関係の無い他の人達に財産的,精神的損害が発生する場合を意味するものと言われています。原子力発電所の事故にともなう農産物や畜産物,海産物などについて風評被害が報じられていますが,「風評被害」に対する損害賠償を巡る議論は,過去にもなされています。

 

原子力損害に関するリーディングケースとして,原子力発電所からの放射性物質流出事故に関する名古屋高裁金沢支判平成1.5.17がありますが,これは,敦賀湾内の浦底湾に放射性物質が漏出した結果,金沢産の海産物に風評被害が及んだとしてその損害の賠償を求める訴えが提起されたものです。一審では請求が棄却され,原告が控訴しました。控訴審でも控訴は棄却されましたが,判決内容を見ると,風評被害に対して法的保護の対象となる範囲についての考え方が,抽象的にではありますが,示されています。

 

すなわち同判決は,原告(控訴人)の売上の減少と本件事故との因果関係について,「本件事故の発生とその公表及び報道を契機として、敦賀産の魚介類の価格が暴落し、取引量の低迷する現象が生じたものであるところ、敦賀湾内の浦底湾に放射能漏れが生じた場合、漏出量が数値的には安全でその旨公的発表がなされても、消費者が危険性を懸念し、敦賀湾産の魚介類を敬遠したくなる心理は、一般に是認でき、したがって、それによる敦賀湾周辺の魚介類の売上減少による関係業者の損害は、一定限度で事故と相当因果関係ある損害」であるとした上で,「一部売上減少が生じたことが窺われるが、敦賀における消費者が、敦賀湾から遠く離れ、放射能汚染が全く考えられない金沢産の魚まで敬遠し、更にはもっと遠隔の物も食べたくないということになると、かかる心理状態は、一般には是認できるものではなく、事故を契機とする消費者の心情的な判断の結果であり、事故の直接の結果とは認め難」く,「したがって、右控訴人らの売上高が本件事故後減少したとしても、消費者の個別的心理状態が介在した結果であり、しかも、安全であっても食べないといった、極めて主観的な心理状態であって、同一条件のもとで、常に同様の状態になるとは言い難く、また一般的に予見可能性があったともいえない(以上,下線筆者)。すると、本件浦底湾における人体に影響のない微量の放射能漏れと敦賀の消費者の金沢産魚介類の買い控えとの間には、相当因果関係はないというべきである」としています。

 

不法行為に基づく損害賠償の範囲に関しては,民法416条が類推適用され,特別の事情によって生じた損害については,加害者において,右事情を予見しまたは予見することを得べかりしときにかぎり」賠償範囲に含まれる,とするのが判例(最一小判昭和48.6.7)ですが,上記名古屋高裁金沢支判は,このロジックにしたがい,放射能漏れとの地理的関係に着目し(敦賀湾,という地理的範囲で区別),同一の条件下で同様の買い控え,購買抑制行動が市場全体に及ぶことが是認できる場合には,通常損害として特別の予見可能性は不要であり,一方,市場におけるこうした行動が消費者の主観的な心理状況,心情的な判断によるものと見られる場合には,特別損害として,予見可能性がない限り因果関係を認めない,という内容です。

 

この考え方は,その後の下級審でも採用されるところとなっており,軽水炉低濃縮ウラン再転換工場において発生した臨界事故が大きく報道され,茨城県産の納豆製品の売上げが風評被害によって減少したとされる事案(東京地判平成18.4.19)で,本件臨界事故が死傷者を出した重大なものであり,事故直後からマスコミで大々的に取り上げられていたこと等からも,「事故現場から10キロメートル圏内の屋内退避要請地域にある本社工場を「生産者」と表示した原告の納豆製品の危険性を懸念して,これを敬遠し,取扱いを避けようとする心理は,一般に是認できる」として相当因果関係を認めています。

 

 ここでは,原告の納豆製品が,「生産者」のみを表示することとされており,消費者には当該製品がどこで製造されたのかが明らかでないため,上記心理が全国的に広がったとしてもやむを得ないこと,が指摘されています。

 

つまり,同一条件下において市場において消費者が同一の購買抑制をすることが一般的に是認できるかどうか,また,消費者の主観的,心情的な要素から抑制行動に出ている場合(たとえば,消費者が根拠の無い噂に惑わされて心情的に行動しているケース,等)には通常損害とは認められず,特別の予見可能性が立証されない限り,因果関係は認められない,ということかと思われます。

 

ただ,実際にどこまでが消費者心理として「一般的に是認」される範囲かどうかは,それほど簡単に割り切れるものではなく,事故の内容や規模,漏出した放射性物質の特性,漏出原因・経路,損害を受けた商品の内容(経口摂取された場合の人体に対する影響),海流や風向き等々の自然的要素,さらには,事故の内容や健康への影響などについての政府その他関係機関の調査や発表(いわゆる「安全宣言」)などについて,どういうかたちで報道され,消費者に理解されていたか,検討する必要がありそうです。

 

ちなみに,後者の東京地判ですが,本件事故後,「消費者及び販売店の双方から,原告の納豆製品の安全性について多数の問い合わせを受け,電話対応や,取引停止,返品,納入拒否等の対応に追われたほか,本件臨界事故の翌日,原告の納豆製品について放射能汚染が認められない旨の証明書を取るために奔走し,その旨の証明書を入手した上,これを全国の販売店にファクシミリで送付するなどして,販売店に対する取引停止の解除や納品の促進を図るために多大な労力や時間を費やしたことなどが認められ,また,原告自身の故意,過失等とは無縁の本件臨界事故によって売上減少を余儀なくされたことから,社内の志気等にも,少なからぬ影響を受けたことが認められる」ことなどから,500万円の慰謝料も認められています。


道内企業にとって一つの成功モデルになるのでは?

 

 

24日付けの道新に,道東の4企業・個人で作る企業グループが,ベトナムで,人口湿地を使って家畜ふん尿を浄化する処理システムを普及させる合弁会社を設立したという記事が載っていました。

 

ベトナムでは,「食糧増産に伴い養豚場の大規模化が進んでふん尿処理が追いつかず,環境汚染や悪臭,豚の伝染病拡大が問題となっている」そうですが,道内では「家畜ふん尿や畜舎からの排水を人口湿地に流し,残った有機物を湿地内の微生物などで分解する仕組み」が既に12カ所で実用化されていて,環境問題に悩むベトナムと,北海道が培ったノウハウとの出会いが問題解決と新たなビジネスチャンスを生み出した一つの例です。

 

筆者がこの記事を見て思ったのは,北海道には,あまり知られていない知見,技術,ノウハウの蓄積があり,諸外国の抱える問題の中には,こうした知見,技術,ノウハウが問題解決に役立つ可能性があること,そしてなにより,これらがうまくマッチングすれば「北海道発」の新たなビジネスになる,ということです。

 

しかも,実に「先進的」であるのは,ベトナムで設立された合弁会社は,東京や都会の大企業が設立したものではなく,道東の企業や個人や現地政府が資金を出し合って設立したものである,ということです。資本力には乏しい,しかしながら,北海道で培われたニッチな技術を持つ中小企業が,単独では難しくとも,共同して,海外でビジネス展開しうる可能性を示しています。

 

北海道は確かに豊富な農水産物や観光資源に恵まれ,農水産業や観光業は今後も基幹産業の地位を占め続けるとは思いますが,「新鮮な」とか,「手つかずの」とか,ばかりに依存していては,付加価値の高い競争力のある商品を市場に供給し生き残りを図ることは期待薄です。

 

そういう意味で,筆者は,北海道にとっての新たなビジネスモデルのあり方なり,方向性なりを示しているのではないかと思うのです。


毎月第4火曜日は「シカの日」です。

 

 

牧草地で,牛とシカが一緒に草を食んでいる様子を見ますと,穏やかな日常の風景,というべきか,シカ「害」というべきか,やや微妙な雰囲気ではあるのですが,客観的には,宗谷管内だけで,昨年の牧草被害が2000万円を超えるそうで(19日付日刊宗谷),結構深刻です。

 

ところで,筆者の家の裏庭で,変なものを見つけました。若干,てかてか,光っていることを別にすれば,奈良銘菓,「鹿のふん」そっくりです。形もそうですし,大きさから言っても,猫やらキツネではなさそうです。

 

 

 

 

冬場,雪が積もりますと,どう見ても,犬とは違う(もっと大きい,蹄がある),とはいえ,牛ではないでしょう,という足跡があったありするのですが,最近は,比較的頻繁に町中でもシカを見かけますので,車を運転する際には,要注意です。

 

ところで,道は,毎月第4火曜日(4火=シカ)を「シカの日」として,一般になじみの薄いエゾシカ肉を新しい食材として一般家庭で食べられるよう普及,消費拡大を推進しており,その関係で,宗谷総合振興局食堂でエゾシカメニューを提供するそうです。今月のシカの日の22日ですが,「シカかつ定食」(700円)を提供するとのことです。営業時間は午前11時30分から午後1時30分まで,職員以外も可だそうですが,午後以降は職員で混み合うので,午前中が「おすすめ」だそうです。


地方自治体による三セク企業の損失補償に関する最高裁判決に,ひとまず安堵

 

 

安曇野市が出資する第三セクターに関し,同市と金融機関が締結した損失補償契約は,法人に対する政府の財政援助に制限に関する法律(以下「財政援助制限法」)3条に違反し無効と判示して,補償債務支払のためにする出費の差止めを求める請求を認めた原審東京高判平成22.8.30に対し,最高裁は,口頭弁論を経ないで当該判決につき破棄自判を行いました(最一小判平成23.10.27)。その直接の理由とするところは,若干形式的なものですが,判決の「なお」書きにおいて,地方公共団体による損失補償が,財政援助制限法3条の類推解釈により直ちに無効となる場合があることを相当ではないとしており,また本判決には補足意見があり,同旨が述べられているころから,同様の地方自治体による損失補償契約に関する財政援助制限法3条の解釈論については,一応決着がついたように思われます。

 

最高裁は,「地方公共団体が法人の事業に関して当該法人の債権者との間で締結した損失補償契約について,財政援助制限法3条の規定の類推適用によって直ちに違法,無効となる場合があると解することは,公法上の規制法規としての当該規定の性質,地方自治法等における保証と損失補讃の法文上の区別を踏まえた当該規定の文書の文理,保証と損失補償’を各別に規律の対象とする財政援助制限法及び地方財政法など関係法律の立法又は改正の経緯,地方自治の本旨に沿った議会による公益性の審査の意義及び性格,同条ただし書所定の総務大臣の指定の要否を含む当該規定の適用範囲の明確性の要請等に照らすと,相当ではないというべきである。上記損失補償契約の適法性及が有効性は,地方自治法232条の2の規定の趣旨等に鑑み,当該契約の締結に係る公益上の必要性に関する当該地方公共毘体の執行機関の判断にその裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったか否かによって決せられるべきものと解するのが相当」(以上,下線筆者)であるとしています。

 

当該第三セクターへの融資にかかる損失補償の経緯や意義については,補足意見に具体的に述べられているところですが,「損失補償については財政援助制限法3条の規制するところではないとした昭和29年の行政実例(昭和29年5月12日付け自丁行発第65号自治省行政課長による回答)以降,地方公共団体が金融機関と損失補鎖契約を締結し信用補完を行うことで金融機関がいわゆる第三セクターに融資するということが広く行われ,地方公共団体も金融機関もそうした行為が財政援助制限法3条の趣旨に反するという認識はなく,今日に至っていると思われる。第三セクターには様々な問題があり,抜本的改革を推進しなければならないが,平成21年法律第10号による改正において地方対政法33条の5の7第1項4号が創設され,地方公共団体が負担する必要のある損失補償に係る経費等を対象とする地方債(改革推進債)の発行が平成25年度までの時限付きで認められるなど,その改革作業も地方公共団体の金融機関に対する損失補償が財政援助制限法3条の趣旨に反するものではないことが前提となっていると考えられる。この問題の判断に当たっては,法的安定性・取引の安全とともに上記の改革作業の進捗に対し配膳することも求められているといえよう。」

 

結論として,「本件損失補償契約を締結した当時の三郷村村長の判断に,その裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったか否かは,それが「公益上必要がある場合」(地方自治法232条の2参照)に当たるか否かという観点から決せられることとなるのであり,本件では,そもそも違法であることをうかがわせる要素は特段見当たらないと思われる」としており,地場産業の活性化や雇用の創出という公益目的,公益目的達成のための民間資金導入の必要性,地方議会での議決,実際に雇用創出効果があったこと,などの事情は,大方の第三セクターには共通して存在しうるところではないかと思われますので,本件最高裁判決を前提とすれば,ひとまず,財政援助制限法3条違反と判断されるリスクは相当程度回避されうるのではないかと思います。

 

実は,原判決である前述の東京高判平成22.8.30が出たときは,既に清算,損失補償が履行されている三セク企業について,金融機関に対し不当利得返還請求(一種の過払い金?)が山のように押し寄せるのではないか,と,ひやひやしたのですが,とりあえず,常識的なところで落ち着いてくれたことで,今後の三セク処理について,リーガル面でのハードルが一つクリアーしうることになった,と,ひとまずは安堵しうるところではあります。

 

ただし,「クリアーしうる」と,もったいをつけるのは,判決は,損失補償契約が「違法,則無効」となるわけではないものの,「当該契約の締結に係る公益上の必要性に関する当該地方公共毘体の執行機関の判断にその裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があったか否か」,が重要,ということですので,もし,契約締結に至る過程で,裁量権の逸脱や濫用だと言われるような事情があれば別ですよ,ということです。つまり,三セク企業を整理するにあたっては,過去の設立,出資(増資)あるいは融資に至る経緯,設立目的と業務内容,実績,当該契約締結に至る地方議会での議決の状況,三セク企業の整理に関する経緯費用負担の状況,地方議会への説明,等々の事情をもう一度精査してみる必要があることになります。


めずらしくブログ2連発-空き家管理条例の話

 

読売新聞によりますと,「空き家の適切な管理を所有者に義務付け、撤去規定なども盛り込んだ『空き家条例』が昨年以降、埼玉県所沢市や和歌山県、松江市など9つの自治体で制定された」ということです。その9つの自治体には,道内の自治体は入ってないようですが,「昨年7月に全国で初めて制定した埼玉県所沢市は、管理不十分な所有者に適切な措置を取るよう指導や命令を行い、最終的に応じない場合は所有者名を公表する とした。同10月の施行後は、年1、2件だった自主撤去が14件に増えるなどの効果が表れ、全国約150の自治体から視察や問い合わせが相次」いでいるそうです。

 

その,先進的な所沢市条例によりますと,「空き家等」は,「空き家等 市内に所在する建物その他の工作物で、常時無人の状態にあるものをいう。」と定義されており,規制対象となる「管理不全な状態」とは,「建物その他の工作物が、老朽化若しくは台風等の自然災害により倒壊するおそれがある状態若しくは建築材等の飛散による危険な状態又は不特定者の侵入による火災若しくは犯罪が誘発されるおそれのある状態」とされています。そして,管理不全な状態にある空き家等の所有者が,市長の助言,勧告に従わないとき,あるいは,著しく管理不全の状況にある場合には,当該所有者に対し,「履行期限を定めて必要な措置を講ずるよう命ずることができる」とされ,それにも従わない場合には,当該所有者等の住所及び氏名などを公表する(ことができる)そうです。

 

空き家,といえば,道内もご多分にもれず,放置された無人家屋は多数存在しており,しかも,haunted house的なしゃれたたたずまいではなく,リアルに崩壊寸前(常識的には,既に崩壊している)の建物も数知れず,雪のシーズンになると,雪の重みで,屋根や塀が倒壊するおそれがあったり,実に危険がいっぱいです。この空き家問題,なぜか当市では借地が多く,その上に建てられた家屋の所有者が,もう歳だし,跡継ぎもいないし,家といってももう古いし,取り壊すには費用がかかるし,ということで,さっさと出て行ってしまった後に残された無人の家屋ばかり,リフォームするでも、立て替えるでもなく、あとはただ朽ち果てるのを待つのみ,のように見受けられます。

 

ただ,そういう状況なので,「命じ」ても何ごとかを期待できるとは思えず,住所・氏名を公表しても引っ越した後では実効性は疑問(住民票を真面目に移していただければともかく,そもそも居場所すらわからないのが普通。),ということで,同じものが出来ても,残念ながら,あまり効果のほどは期待できそうにありません。

 

個人の財産権もからむやっかいな話ですが,無人の空き家が放置されるのは,土地の有効利用が妨げられているということであり,国民経済的にも決して望ましいことではありません。そういえば,先の震災の際には,「がれき」も個人の資産,ということで,その処分が妨げられている,ということがニュースになりました。ご説ごもっともですが,がれきと化していたり,あるいは,管理状態について市長が助言,勧告しても従わない,などという場合には,「財産権」による保護の対象とすべきか、疑問がないわけではありません。

 

とはいえ,この問題,根底には,撤去や補修工事等の「強硬手段」に出た場合の費用の問題と,万一所有者から訴訟を起こされた場合の訴訟リスクという問題があり,行政に,文字通り,「ブルドーザーのような実行力」を期待(要求)するのはちょっと気の毒なのかもしれません。

 


ロシアビジネスセミナーご参加のお礼

 

 

先日(11月4日)は,ご多忙中のところ,札幌商工会議所、NPO法人ロシア極東研、公益社団法人北海道国際交流・協力総合センター(旧(社)北方圏センター)の共同開催によります「ロシアビジネスセミナー」に多数の皆様のご参加を頂きまして,厚く御礼申し上げます。時間の関係上,細かい論点まで深く掘り下げてご説明申し上げることができませんでしたこと,あるいは,ロシアにおける知的財産権の保護のための法制度の状況(先般の報道では,ロシアのWTO加盟がほぼ確実な情勢になったとのことでございます。)や具体的な対応方法など,Up-to-Dateなお話をする余裕がございませんでしたことが心残りでありますが,機会があれば,そのような内容にも踏み込んだテーマを設定したセミナーも開催できればと考えております。

 

ロシア市場に対しては,未だに,ある種の警戒心(貿易取引にしても,本当に確実に代金を回収できるのか,あるいは,かつての,日ロ合弁のホテル事業などのように,事業がうまくいったところで乗っ取られてしまうのではないかとの不安,等々)をお持ちの企業は多く,過去の不幸な経緯や,司法制度を含む法制度やその運営,契約当事者や関係機関,等々に関する圧倒的な情報不足等を考えますと,確かに致し方のない面もございます。しかしながら,最近のロシア国内の法整備の進展や国際取引の分野で培われてきたノウハウを駆使することによって,その多くが適切にリスク管理をすれば克服しうる「過去の」ものとなったこともまた一方の現実であり,過度に(不必要に)神経質になることは,北海道のみならず日本経済全体にとっても,決して歓迎すべきことではありません。

 

当事務所では,取引関係,企業再編・買収その他の経営上の法律問題の解決はもちろん,東京,札幌を結ぶ法律事務所,外国法専門家のネットワークを通じて,海外進出を含む道内企業のさらなる事業展開を積極的にサポートしてまいります。

 

今後とも,地域の皆様方との信頼関係を大切に,地域の期待と信頼にお応えすべく,業務に精励してまいる所存ですので,何卒ご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

平成23年11月 北の杜法律事務所 弁護士 古井健司


SKYMARK AIRLINE 旭川・成田便就航

 

 

ぜひ、いっぺん乗ってみようと思っています。

 

いつもお世話になっている全日空さんには誠に申し訳ないのですが、稚内−羽田便は、この時期1日1便しかなく実に不便であり、しかも、羽田−千歳便などに比べ、運賃がやたらと高いので、正直、あまり愉快でないのです。しかも、冬場は欠航率が高く、この界隈では、「穴のあけられない用事には飛行機は使えない」は常識です。

 

旭川まで車で片道4時間、かつ、旭川までの交通費を考えれば、実際のところ、スカイマークに乗っても、とんとん、なのですが、筆者のように、どちらかというと東京の中央より東側に用事のあることが多い人種にとっては、朝夕のラッシュとはあまり関係なく空港へのアクセスが可能な成田便の方が、実は便利だったりするわけです。欲を言えば、もう少し旭川到着時間を早くして頂けると、早朝成田を出て、旭川経由で、その日の昼には稚内に帰れる、という「夢のような」オペレーションも可能になります。しかも、安い。

 

ドラッカーさんの本を見ると、「顧客を満足させることこそ、企業の使命であり、目的である」と書いてあります。他方で、利益について、「企業や企業活動にとって、目的ではなく条件である。企業活動や企業の意思決定にとって、原因や理由や根拠ではなく、その妥当性の判断基準となるものである」とされています。つまり、筆者の理解するところ、投資家の短期的な配当要求に応えることは企業の追求すべき目標とは無関係であり、自己資本利益率(ROE)などは、目標ではなく手段の合理性判断の一つの指標に過ぎない(同じ目標を達成するなら、もっと賢い方法があったろうに、とか。)、ということになります。

 

とはいえ、稚内便を増やせ、就航率を高めろ、名寄以遠をもっと高速化しろ(ただし、これは鉄道の話)とか、要求ばっかりするのは酷かもしれませんが、「ミニ規格」とかも世の中にはあるし、なんとかコストを抑えて地元のニーズに応える方法はないものでしょうか。なんとかの一つ覚えのように、「採算性に難あり」ばかりでは、

 

 

そこを、工夫するのが、マネジメントの仕事ではないか

 

 

とか、言われてもしかたないでしょうなあ。

 

そういえば、ある小説の一こま、命じられた任務を遂行できない出先軍の参謀が、任務を遂行できないのは自分たちが要求する兵力、弾薬を送ってもらえないからだと中央(総司令部)に責任を転嫁しようとしているところに、某高級幕僚が一喝する場面、を思い出しました。維新の戦火をくぐり抜けた明治期の軍人さん、後の世で書かれるドラッカーさんの「マネジメント」を読んだら、何と言いますかねえ。


第2回ご当地どんぶり選手権グランプリ受賞のうに飯丼

 

 

本日,弁護士会の御用で,利尻島(利尻町,利尻富士町)の無料法律相談に行ってまいりました。本件,本来は17日に予定されていたもので,前日からの時化でフェリーが欠航,仕方なく日程を変更しての実施となりました。今回は,うってかわって,海面は穏やか,稚内からは片道2時間の船旅ですが,ほとんど居眠りしている間に着いてしまった感があります。

 

というわけで,とにかく評判の逸品を試すべく,午前中の相談会場からタクシーで20分,午前中の相談の終了から午後の相談の開始まで30分というハードスケジュールの中で,フェリーターミナルの食堂丸善のうに飯丼定食をいただいてきました。

 

うにの炊き込みご飯,というのは,初めてですが,とにかく,「グランプリ」の名に恥じない,いいお味です。

 会社法務・顧問弁護士・国際法務弁護士【北の杜法律事務所】稚内・旭川・札幌

 

利尻島といえば,今日の道新に,「道産コンブ記録的不漁」の記事が出ておりました。原因については,「現在調査中で,はっきりしたことは不明」とのことですが,「コンブは水温が低い方が成長するが,今年は水温が高かったのでは」との指摘もあるようです。

 

そういえば,タクシーの運転士さんも,今年はこの時期にしては異常に暖かい,とのことで海も陸も,ちょっとおかしいのかもしれません。北辺の防人的弁護士としては,「灯油代が安くすむ」のはうれしい限りですが,外国では,米国ジョージア州で突如オーロラが出現したり,ニューヨークが大雪に見舞われたり,宇宙では,太陽の活動の活発さを示す太陽の黒点がほとんどなくなる「太陽活動極小期」が訪れる兆しがあり,太陽の活動がこれから数十年にわたって弱まる可能性があるそうですので,天変地異の時代到来であるかもしれません。


『かまどさん』と道産米でいい感じです。

 

 

筆者の愛用の炊飯器は齢10年を数え,まだまだ現役ばりばりなのですが,

 

土鍋で炊いた飯はうまい

 

という話を聞き,ついに,一台,仕入れてみました。その道では有名な,「かまどさん」です。

 

会社法務・企業顧問・国際法務【北の杜法律事務所】稚内・旭川・札幌

 

はじめちょろちょろなかぱっぱ,といわれても具体的によく分からないのですが,レシピに指定された通り,といだ米と水を入れ,中ぶた,外ぶたをして約14分,蒸らすこと20分でできあがり,です。

 

会社法務・企業顧問・国際法務【北の杜法律事務所】稚内・旭川・札幌

 

ふたを開けてびっくり,ガス台で適当に炊いた割には,

 

お米が光ってます

 

米が立ってます

 

お焦げもあります

 

炊飯器のコマーシャルではありません。

 

ちなみに,お米は道産米の「ゆめぴりか」の新米です。評判通り,もっちもちです。

道産米は,むかしは,「?」だったそうですが,これはお見事,最高のお味です。

 

「関税を撤廃したら日本の農産品は価格競争力を失う」はTPP反対の論拠の一つですが,確かに,そういう面もあるでしょう。アメリカ産のコメも予想以上にうまいのは筆者も経験済みです。ただ,もし,道産米とアメリカ産米(豪州米でも,台湾米でも同じ。)が並んで売っていたら,値段はともかく,道産米を手にするでしょうね。

 

最近の消費パターンは,きれいに2極化していて,いいもの,高い満足感を得られるものには,出費を惜しまないのが現代人だそうです。


そろそろ「低価格」路線を売りにするのはやめませんか?

 

 

食品衛生法11条1項の規定に基づき、食品、添加物等の規格基準の一部が改正され、10月1日より,生食用食肉(牛肉)の規格基準が設定されました。設備上の対応や,加熱殺菌の方法とトリミングといわれる表面を削り取る作業など,その内容は大変厳しいもので,実際,店頭からは,ユッケをはじめとする生食牛肉を使った料理は姿を消したそうです。

 

こちらも記憶に新しいところで,浜松市天竜区の天竜川で川下り船が転覆し,5人が死亡した事故を受け、第3セクター「天竜浜名湖鉄道」が運営している川下り事業が廃止され,1948年に始まった川下りは、63年の歴史に幕を下ろすことになったそうです。こちらも,結局のところ,「人件費を負担しきれない」とのことです。

 

よくいわれるような,流通が価格決定力を持ち,生産者に価格交渉力がない,あるいは,長期にわたるデフレ環境で「価格破壊」に慣れきってしまった市場では,過度の低価格競争により生産者は疲弊し,基本的な安全管理や生産管理を実施する体力すら残されていない,これもまた,弱肉強食のグローバル経済下では,やむを得ない現象なのでしょうか。

 

グローバル経済と言えば,ちょっと前までグローバリズムの総本山であったアメリカですら,安い外国産の野菜には見向きもせず,消費者が負担金を払って,契約農家から直接野菜を購入するシステム(Community Supported Agriculture)が人気だそうで,日本でも,類似のサービスを展開し,生産者と消費者が直接市場で結びつくスキームを実現している農家さんも多数いらっしゃいます。コストとリスクを生産者に一方的に負わせるのではなく,持続可能で安心,安全な流通システムを維持するため,消費者も応分の負担をすべきとする発想です。

 

そういえば,今月号の月刊ダイヤモンドでは,高齢化・後継者難に苦しむ日本の漁業の問題を取り上げています。旧態依然の零細個人経営にしがみつく漁業協同組合の構造的問題と並んで,食っていけない漁業の問題がクローズアップされています。「食っていけない」のでは後継者がいないのも仕方がありません。生産者が,適正な生産コストを販売価格に転嫁できない状況では,「安心・安全」で持続可能な生産システムは成り立ち得ません。まっとうな生産者が「食っていける」(適正利潤を確保し持続可能な生産システムを維持する)には,消費者も流通業者も,もうそろそろ「低価格至上主義」を卒業してもいい頃合いでしょうか。