破産手続
破産手続は,支払不能又は債務超過の状態にある債務者に関し、申立てにより、裁判所が破産手続の開始を決定し,破産管財人を選任して,その破産管財人が債務者の財産を金銭に換えて債権者に配当する手続です。通常は,破産手続開始の決定時点の債務者の全ての財産を提出してもらい,金銭に換えた上で配当することになります。
なお,債務者の財産が極めて少ない場合には,破産管財人を選任しないまま破産手続を廃止することもあります(同時廃止)。 破産手続開始の決定時点の債務は,破産手続の開始が決定されても,当然に返済を免れるのではなく,そのためには別に免責許可の申立てを行い,免責の許可を受ける必要があります。なお,破産をすることになった事情に浪費や詐欺行為などがある場合には免責の許可が受けられないこともあります。
民事再生手続
民事再生手続には,主に法人事業者を利用対象者とする手続(通常の民事再生手続)と,個人債務者のみを利用対象者とする民事再生手続(個人債務者の民事再生手続)とがあります。
通常の民事再生手続
経済的に苦しい状況にある法人や個人(債務者)が,自ら立てた再建計画(再生計画)案について,債権者の多数が同意し,裁判所もその計画案を認めることにより,債務者の事業や経済生活の再建(再生)を図ることを目的とした手続です。債務者は,事業を継続しながら,再生計画のとおりに返済し,残りの債務の免除を受けることになります。
また,この手続では,債権者等の関係者にとって公平で透明なものとするために,債務者から,財産の状況などについて情報の提供を受けたり,必要に応じて債務者を監督する監督委員や債務者に代わって事業経営を行なう管財人が選任されたりします。返済の段階でも,一定の期間は返済の監督又は管理が続けられるほか,返済しなかった場合には,債権者が債務者の財産に対して強制執行をすることができます。
個人債務者の民事再生事件
個人債務者の民事再生手続は,(1)将来において継続的に収入を得る見込みがあって,無担保債務の総額が5000万円以下の人(小規模個人再生)や,(2)その中でも,サラリーマンなど将来の収入を確実かつ容易に把握することが可能な人(給与所得者等再生)が対象となります。
この手続において,債務者は,働きながら,再生計画のとおりに返済し,残りの債務の免除を受けることになります。
ただし,その再生計画の内容は,原則として3年間で分割して返済し,その返済する総額が,債務者が破産手続を選んだ場合に配当される額を上回らなければなりません。また,無担保債務の総額が3000万円以下の場合には,返済する総額は借金等の合計額の5分の1(ただし,100万円以上300万円以下の範囲内)以上,無担保債務の総額が3000万円を超え,5000万円以下の場合には,返済する総額は無担保債務の総額の10分の1以上でなければなりません。
さらに,給与所得者等再生では,それに加えて債務者の手取収入額から生活に必要な費用を控除した額として政令で定めるところにより計算される額の2年分以上である必要があります。
会社更生手続
会社更生手続とは,経済的苦境に立たされた株式会社(会社更生手続を利用する株式会社を「更生会社」といいます。)の経済的更生を図ることを目的とする制度です。民事再生手続と異なり,更生会社の財産に関する管理処分権は,裁判所が選任した管財人が有することになり,更生会社が経済的更生を図るための更生計画案も,原則として管財人が作成することが予定されています。
民事再生手続・会社更生手続は,破産手続や個人再生手続とは異なり,一定規模以上の法人(会社)が利用することが主に想定されており、会社更生手続は,株式会社しか利用することができません。
特別清算
特別清算とは、清算手続中の株式会社が、その清算手続において、(1) 会社の清算手続きの遂行に著しい支障を来たすべき事情がある場合、(2)債務超過等の恐れがある場合に、裁判所の命令により開始され、その監督の下に行われる手続きです。特別清算は大口債権者の協力が得られる場合には、他の手続に比べ、スムーズに倒産処理を行うことができることから、親会社が赤字の子会社を清算する場合などに利用されることが多い手続です。
清算手続により債権者への弁済を行った後に残余財産があれば、株主に分配することになります。特別清算が結了し、またはその必要がなくなったときは、裁判所の決定により、特別清算手続は終了します。